「絶滅したはずのダイアウルフが、ついに現代に復活した」──そんな驚きのニュースが2025年、アメリカから飛び込んできました。
報道によると、バイオテクノロジー企業Colossal Biosciencesによって、約1万3千年前に絶滅したダイアウルフのDNAをもとに作り出し生物が、健康に育ちつつあるというのです。
彼らはこの動物に「ロムルス」「レムス」「カリーシ」と名付け、世界初の“デ・エクスティンクション(脱絶滅)”成功例として華々しく発表しました。
しかし、果たしてこれは本当に「ダイアウルフの復活」と言えるのでしょうか?
それとも、まったく別の“何か”が生まれたに過ぎないのでしょうか?
目次
- 「絶滅したダイアウルフが復活した」という報道が広まる
- 「復活したダイアウルフ!?」が成長――彼らの主張は正しいのか
「絶滅したダイアウルフが復活した」という報道が広まる
ダイアウルフ(Aenocyon dirus)は、更新世の北アメリカ大陸に君臨していた大型肉食獣です。
見た目こそ現代のオオカミ(Canis lupus)に似ていますが、実際には異なる存在でした。

彼らの体重は平均で約68kg、頭胴長約125cm、尾長約60cm、体高約80cmとオオカミよりも大きく、どっしりとした体つきであったと推定されています。
顎の力も極めて強力で、大型の草食動物を狩るのに適した構造をしていました。
化石記録によれば、主にマンモスやバイソンなどの死骸を漁っていたと考えられています。
しかし気候変動と大型獣の絶滅により、ダイアウルフ自身も約1万3千年前に地上から姿を消しました。
その後はカリフォルニア州ロサンゼルスののタールピットなどで大量の化石が見つかり、古生物学者の関心を集めてきました。
こうした中、2021年に設立されたスタートアップ企業Colossal Biosciencesが「絶滅種の復活」をビジネスとして掲げ、「ダイアウルフ・プロジェクト」を本格始動させたのです。
