回答者の多くはそうした医学的リスクを深く認識していないか、あるいは「自分だけは平気だろう」と楽観視している傾向がうかがえます。
3つ目のテーマ:「同意(コンセント)があれば安全」という声。
「首を絞める」という行為は非常にリスクが高いにもかかわらず、多くの回答者が「パートナーが同意していれば問題ない」と考えていました。
あらかじめ口頭で「首絞めしてもいい?」と確認したり、セーフワードを設定するなど、一見すると対策が取られているように見えます。
ただし「気づいたら急に首を押さえられ、驚きと恐怖で声を上げられなかった」というケースや、「実際には雰囲気に流されて抵抗しづらかった」という報告もあるのが現実です。
つまり、“同意”や“セーフワード”という概念自体は知っていても、それがいつもうまく機能するわけではない状況が浮かび上がりました。
4つ目のテーマ:「信頼関係があれば怖くない」という認識。
首を絞められる側から見れば、「本当にこの人に命を預けられるのか」という不安が大きく、そこを“長い付き合いで細かなサインを把握できる相手なら大丈夫”と捉える人も多く見受けられました。
しかし「どれだけ気心の知れたパートナーでも、その日の体調や力加減次第で取り返しのつかない事故が起こり得る」という声もあり、信頼関係さえあれば完全に安全というわけではありません。
こうした4つのテーマを総合すると、多くの若年層が首絞めプレイを「なんとか安全にできる」と考えつつも、実際のリスクや医学的知識の不足、さらには同意形成のあいまいさなど多くの問題点が併存していることがわかります。
研究チームが指摘しているのは、参加者の多くが「危険なのは知っているけれど、今まで大丈夫だったから問題ない」という考えに陥りがちな点です。
これを“安全神話”と呼ぶことができ、たとえいくつかの対策を講じても呼吸や血流を直接コントロールする以上、大きなリスクは常に残るとしています。
“安全にできるはず”は幻想か――リスクを正視する必要性
