KGB仕込み?「早撃ちガンマン歩き」の真相

 ブルーム教授らのチームは、KGBの訓練マニュアルを発見。そこには、工作員がどのように歩くべきか、具体的な指示が記されていた。「マニュアルによれば、KGB工作員は武器を右手で胸の近くに保持し、片側(通常は左側)を前に出して移動するよう指示されていた。これはおそらく、敵に遭遇した際にできるだけ早く銃を抜けるようにするためだろう」と研究チームは2015年に英国医師会雑誌(BMJ)で発表した論文に記している。

 つまり、右腕を体に密着させてあまり動かさず、左半身をやや前に出して歩くことで、利き手である右手を常に武器(銃)にアクセスしやすい状態に保ち、いかなる不測の事態にも即座に対応できるようにする、というわけだ。研究チームは、この独特な歩行パターンを「ガンスリンガー・ゲイト(早撃ちガンマンの歩き方)」と名付け、KGBや他の武器訓練によって引き起こされた「行動適応」の結果ではないかと結論付けたのだ。常に警戒を怠らず、即応性を重視する諜報員や軍人ならではの「職業病」のようなものかもしれない。

プーチン大統領の奇妙な歩き方とは?“右腕が動かない”謎の真相
(画像=イメージ画像 generated using QWEN CHAT,『TOCANA』より 引用)