ロシアのウラジーミル・プーチン大統領(72歳)。その歩き方に、少し奇妙な特徴があることにお気づきだろうか? 彼が歩く際、左腕は自然に前後に振られているのに対し、右腕はまるで体に固定されたかのように、ほとんど動かないのだ。まるでロボットのようにも見えるこの独特な歩き方。単なる癖なのだろうか? それとも、何か別の理由が隠されているのだろうか?

病気の兆候? それとも…

 この特徴的な歩き方について、専門家たちは様々な可能性を検討してきた。当初、パーキンソン病のような神経系の疾患の初期症状ではないか、という憶測もあった。腕の振りが少なくなるのは、パーキンソン病の兆候の一つだからだ。しかし、プーチン氏の他の動作を見る限り、病気によるものとは考えにくいと多くの専門家は指摘する。では、一体何が原因なのか?

 オランダ、ラドバウド大学医療センターの神経学教授バスティアン・ブルーム氏らの研究チームは、この謎に迫るべく調査を行った。彼らはYouTubeなどで公開されているプーチン大統領の映像を多数分析し、その一貫して右腕の振りが少ない歩き方に注目。そして、驚くべき可能性に行き着いた。それは、彼がかつて所属していた旧ソ連国家保安委員会(KGB)での訓練に由来するのではないか、という説だ。