100年の謎、解明への一歩

 ミイラ化した遺体から死因を特定することは、極めて困難な作業だ。遺体の劣化に加え、ミイラ化の過程で心臓を除くほとんどの内臓が取り除かれてしまうため、得られる情報は限られる。しかし、DNA分析技術の進歩は、ミイラに残されたわずかな組織片から、その人物の健康状態や血縁関係といった貴重な情報を引き出すことを可能にした。

 ツタンカーメンの死因に関する謎が完全に解明されたわけではない。しかし、DNA分析によってマラリア感染や近親婚による遺伝的影響といった具体的な要因が浮かび上がってきたことは、大きな前進と言えるだろう。ティム・バティ氏が言うように、これは「ツタンカーメンの生と死を取り巻く巨大なジグソーパズルの、また一つ新たなピース」なのだ。科学の力は、これからも古代エジプトの、そしてツタンカーメン自身の謎を少しずつ解き明かしていくに違いない。

 若きファラオの短い生涯は、栄光だけでなく、病と宿命の影に彩られていたのかもしれない。

提供元・Business Journal

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