バチカン教皇庁は2020年11月に詳細な報告書を発表し、元教皇大使の主張を否定した。バチカンニュースは当時、「マッカ―リック枢機卿の不祥事が判明した直後、フランシスコ教皇は声明文の中で事件の全容解明を指示していた」という趣旨の声明文を公表した。
なお、米教会のスキャンダルを暴露したビガーノ大司教は2024年7月5日、カトリック教会の教理の番人、教理省から破門宣言を受けた。その理由として、①ローマ教皇の権威を認めず、②教会の近代化路線を開いた第2バチカン公会議の正当性を認知しなかった、からだという。破門理由にはフランシスコ教皇の辞任を要求した「ビガーノ書簡」については全く言及していない。
マッカーリック元枢機卿の死で米教会を震撼させた「枢機卿の犯罪」は幕を閉じたが、その後も世界各地でカトリック教会聖職者の不祥事が起きている。
編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2025年4月9日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。