日本の方はコメの品質についてはうるさいと思います。「せめてコメだけは」というわけです。だけど私のようにカルローズ種を30数年食べ続ければなんら違和感はないし、あとは焚き方で多少おいしくさせる方法はあります。焚く際の水はろ過水、かつては紀州炭を炊飯器の中に入れていました。焚くまでにコメを水に浸して最低1時間といった工夫をしても味は変わります。また日本で売っている高級釜を使うと味は確かに旨いと思います。飲食店の飯が旨いのは大量に炊くこともあります。つまり最終的に旨いかどうかは銘柄と共にそれを最大限引き出す努力をしたかどうか次第なのです。
日本米はブランド米として輸出できる品質を維持していますが、農水省にその姿勢があるとは思えないのです。あくまでも農家の生活を守り、生産調整をし、国内の需要を満たすのみ、またカロリーベースの食の自給にこだわり過ぎています。その一方で米農家も会社組織が増えている中でビジネスとして取り組むことでコメ生産と需要開拓を含め、根本を変えていく必要があると思います。農水省にもビジネスマインドを取り込むことが必要で、昭和の食糧政策的な発想だけではいかん、ということでしょう。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2025年4月8日の記事より転載させていただきました。