要因は複合的だと思います。暑すぎると作柄には影響するでしょう。一方で消費が増えたとは思っていません。日本人の胃袋の数は変わらないのです。多少外国人観光客が増えたとしても昨年で3500万人。1人平均1週間滞在するとして人口数に直せば67万人程度。彼らが毎食米を食べることはまずないので影響は微々たるものなのです。むしろ、2024年には日本の人口は53万人の減少を記録しているわけで需要は減るぐらいの話なのです。

すると一部メディアが報じるように消えたコメがあるはずなのです。その消えた分はどこにあるのかです。この先もっと値上がりすると思っているコメ関係者がいればどこかに確保しているかもしれません。それも必ずしも特定の業者の倉庫に山積みされているというよりあちらこちらに分散している公算があります。極端な話、直販契約をしている農家にも多少、あるかもしれません。少しずつが積みあがった結果ではないかという気がします。

ところで輸出用のコメは順調に販売されています。中国ではかつてはチャーハン用としてパラパラになるような品種を好んでいました。ところが中国人の爆買いブームの際に日本の炊飯器がバカ売れし、そこで中国人がジャポニカ米に目覚めた可能性もあるでしょう。水分量が多く、ねちゃねちゃする日本のコメが旨いということに気がついたとすれば中国の爆食需要が支えとなり、輸出好調は裏付けられます。一応、輸出用は補助金の関係で国内向けとは厳密に区別されているとされます。ただ2024年の輸出実績は20年と比べ倍増になったと言っても46000トンに過ぎず、24年の日本全体の収穫の0.7%なのでごくわずか。個人的にはどうもこの数字が以前からしっくりきません。気のせいでしょうか?

ビジネスマインドから見ると国内需要はトレンドとしては下がる一方でも日本のコメは海外を中心に潜在需要はまだまだあるとみています。

一方、日本人の腹を満たすためにカリフォルニアからの輸入も急増しています。それこそ前年比数倍の勢いですが、カリフォルニアも突如の需要には対応できないと思います。今の5㌔4000円程度を考えるとカリフォルニア米の日本の消費者向け価格は3000円程度で提供できるはずでカルローズ品種でよければ問題ないでしょう。