思えばトランプ以前の米国共和党で猛威を振るった、ネオコンも元はトロツキストだった。スターリン以降の「ソ連憎し」のあまりに、もう American Way of Life こそが共産主義並みの人類の真理だとみなすことにして、そのやり方で地球のすべてを覆い尽くそうとする人びとだ。

実は民主党のリベラリズムとも、こうした「アメリカの正義は人類の正義」思考は相性がいい。なので、それはロシアとの対立を辞さずにウクライナを欧米化しよう、といったプロジェクトも支えてきたのだけど、ご存じのとおり、トランプはそちらも容赦なく打ち切ろうとしている。

なぜ「ウクライナは降伏すべき」と主張する日本人が出てくるのか
<侵略戦争は常に、世界を見る上での自らの「遠近法」を疑おうとしない国が起こす。そして冷戦以降のアメリカが証明したように、その行動は失敗する運命にある> 『トワイライト・ストラグル』という、1945~8...

トランプがやっているのは、いわば資本主義国における「トロツキーの粛清」なのだろうか? それはスターリンと同じく、いかに暴力的でも結構な長さで、意外にも続いてしまうのだろうか?

こう言うと色んな人が怒るけど、だいぶ前から日本の意志次第でアメリカや、まして世界をどうこうできる力はとっくにないのだ。だったら一歩退いた眼で、トランプの暴走が単なる一時的な「バグ」なのか、それとも時代の転換点かを考えてみるのも、歴史家の仕事のような気がする。

歴史の恩師の葬儀を終えて|Yonaha Jun
中学・高校と、自分の日本史の恩師だった人が急逝し、お別れの会に出てきた。逝去もお通夜も、先月末のことである。 ご本人にも確認したが、同月に対談した成田龍一先生とは大学院が同窓で、面識もあったそうだ。わずか数日の差で、記事を目にしてもらえなかったと思うと、いっそう悔やまれてならない。 昨年夏の同期会にも、担任として...