これには恋愛に対する不安が影響している可能性があり、インセルの人々が恋愛に対して自信をもつことで女性嫌悪の減少につながるかもしれません。

一般的にインセルの人々は恋愛の理想が高いと思われがちですが、調査の結果は反対でした。

モテない男性は女性に対する理想が高いわけではなく、むしろ相手してくれるならどんな子でもいいというような傾向の方が強かったのです。

さらに、インセルの人々は女性の恋愛の好みを誤解しており、知性や優しさよりも外見や財力が重要だと感じていることも明らかとなりました。(財力・外見は無視される要因ではありませんが、知性・優しさなどより絶対的に重要視される傾向ではありません)

また、世界的に見た自閉症スペクトラム障害(ASD)の有病率は0.62%なのに対し、インセルの人々の中では、18~30%と非常に高いこともわかりました。

(※ASDとは対人関係が苦手・強いこだわりといった特徴をもつ発達障害

日本でも同様の問題が浮き彫りになってくるかもしれません
日本でも同様の問題が浮き彫りになってくるかもしれません / Credit:canva

今回の結果は、インセルに分類されるモテない男性には恋愛に対する多くの誤解をしている可能性が示されました。

女性が結婚相手に経済的安定を求める傾向があることは紛れもない事実です。しかし、優しさや知性、ユーモアも非常に重要な要素です。

今後、コステロ氏ら研究チームは、このような誤解を解くため、また、インセルの人々のメンタルヘルスを支援するための介入策を考えることが重要だと考えています。

日本ではまだあまり話題になることのないインセルの人々が抱える問題ですが、年々大きく上昇し続ける未婚率からみるに、すでに日本でも同じような問題を抱えた人たちがいて、近い将来、同じような問題が浮き彫りになってくるかもしれません。

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参考文献

New study delves into the mating psychology of involuntarily celibate men
https://www.psypost.org/2023/09/new-study-delves-into-the-mating-psychology-of-involuntarily-celibate-men-185766