黙ってた私が放った、ひと言

(画像=『FUNDO』より引用)
私は手に持っていた急須をそっとテーブルに置いて、義兄の方を見て、落ち着いた声で言いました。
「お義兄さん、“メイド”にはお給料が発生しますけど、うちは未払いのようですね。労基に相談していいですか?」
親戚一同、シーン……。
義兄は「冗談だってば!」と笑い飛ばそうとしましたが、私はもう引きませんでした。
「冗談にしては、面白くないし、失礼です。私、ここに働きに来たんじゃありません。家族の一員として来てるんです。」
私の声は震えていました。でも、はっきり言葉にできた自分を、少し誇らしく思ったのも事実です。