これはニシコクマルガラスにとって、目先のごちそうが友情より大事であることを示しています。

ところが実験を続ける中で、縁の切れない例外が見つかりました。
それが「家族」です。
夫婦・親子・兄弟姉妹においても、別々のグループに振り分けられている限り、一緒に餌場に来てもごちそうの扉は開かれず、平凡な食事の方しか得られません。
しかし、その事実を学習して知っているはずなのに、ニシコクマルガラスたちが家族との縁を切ることはなかったのです。
夫婦・親子・兄弟姉妹はAとBの別グループであっても、変わらず一緒に行動して社会的関係を維持していました。
これは彼らにとって家族との絆は友情やごちそうを上回ることを意味します。
この結果を受けて研究チームは、ニシコクマルガラスにおいて、友情は目先の利益を得るための”短期的な関係”として有利に働き、家族との絆は生涯にわたって価値のある”長期的な関係”として重要である可能性が高いと指摘しました。
もし彼らの心が聞けるなら、「家族と一緒なら質素な食事でも平気です」と答えるかもしれません。
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参考文献
Jackdaws switch friends to gain food – but stick with family
https://www.bristol.ac.uk/news/2023/september/jackdaws-switch-friends-to-gain-food.html
These crow relatives put food over friendship
https://www.popsci.com/science/jackdaw-social-family-food/