接触が招く悲劇:なぜ島への接近は禁止されているのか

 センチネル族は、外部の世界との接触を極端に嫌い、近づく者に対しては弓矢などで激しく抵抗することで知られている。過去には接触を試みた宣教師や漁師が命を落とす悲劇も起きている。インド政府が島への立ち入りを厳しく禁じているのは、こうした部族の意向を尊重するだけでなく、彼らを外部の病原菌から守るためでもある。センチネル族は、はしかやインフルエンザといった、我々にとってはありふれた病気に対する免疫を全く持たないと考えられており、外部からの接触は部族全体の壊滅につながりかねないのだ。

 先住民の権利擁護団体「サバイバル・インターナショナル」のキャロライン・ピアース氏は、ポリャコフの行動を「無謀で危険」と強く非難。「未接触部族は外部の一般的な病気に対する免疫を持っていません。この男性のしたことは無責任であり、部族全体を絶滅の危機に晒すものです」と、その行為がもたらす深刻なリスクを訴えた。