テスラ、不買運動も発生

 今、マスク氏には強烈な逆風が吹いていることも事実だ。

「トランプ大統領との蜜月関係の下、マスク氏は自由奔放に過激な言動を展開しています。このことが欧米で政治的にもビジネス的にも大きな反発と憎悪ともいえる悪感情を招いています。DOGEでは政府の職員に対しSNSで辞職圧力を加えるなど強引な手法で大きな反発を招き、うまく行かないどころか、消費者保護団体など複数の団体から訴訟を受けています。CNNによる最新の世論調査によれば、過半数を超える53%がDOGEに否定的であり、肯定的な見方は35%にとどまりました。

 マスク氏にとって一番の痛手は、CEOを務めるEVのテスラのブランドを大きく損ねていることです。米国と欧州で政治的活動に対する消費者の反発から不買運動が起こり、購入台数が半減しています。特に米国やドイツでは、テスラのディーラーが襲われテスラ車が焼き討ちにされる事件まで発生しています。同様に株価も短期間に半減し、マスク氏は全社員に対し、株を売らないようにと要請する始末です。今後、マスク氏がNASAに対し、多くの企業に発注を行っていることを歳出の無駄遣いと断じ、そのことがスペースXへの発注を増やす方向に誘導されるようなことになれば、利益相反だとしてさらなる大きな反発を受けることになるでしょう」

(文=Business Journal編集部、協力=橋本安男/航空経営研究所主席研究員、元桜美林大学客員教授)

提供元・Business Journal

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