このように丁重な言葉使いで手紙を書く技術は、産業分野や国の書記官にとって必須のスキルでした。

また赤ペン先生の方も、生徒を一人前の書記官に育てるために厳しい添削をしていたのでしょう。

しかし、これほど大昔から先生によるチェックに「赤いインク」が使われていたことは非常に興味深い点です。

ただ血と同じ赤色は、古代人にも共通して危険や警戒心を引き起こす色だったと考えられます。

そのため、生徒の注意を引き、強く印象に留める方法として「赤いインク」が最も有効だったのかもしれません。

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参考文献

4,000-Year-Old Tablet Shows Teachers Have Reached For The Red Pen For Centuries
https://www.iflscience.com/4000-year-old-tablet-shows-teachers-have-reached-for-the-red-pen-for-centuries-70982

4,000-Year-Old Ancient Egyptian Writing Board Shows Student’s Spelling Mistakes
https://mymodernmet.com/ancient-egyptian-students-writing-board/

ライター

大石航樹: 愛媛県生まれ。大学で福岡に移り、大学院ではフランス哲学を学びました。 他に、生物学や歴史学が好きで、本サイトでは主に、動植物や歴史・考古学系の記事を担当しています。 趣味は映画鑑賞で、月に30〜40本観ることも。

編集者

ナゾロジー 編集部