このような「モバイルゲーミングの完成形」を提示したことで、初代Switchで魁となったポータブルPCに加え、残されたノートPCの市場までも食い荒らし得る設計となったSwitch2は、クレイトン・クリステンセンの提唱した「破壊的イノベーション」たる条件を満たしている。

スマホの進化すら頭打ちになった現在、Switchから「体験」特化の開発精神をさらに進めただけでなく、「破壊され得る」市場まで明確にした思想・発想は舌を巻くものである。

冒頭のDirectでは、発売前時点で海外ソフトメーカーがこぞってSwitch2対応を表明しており、大きな市場可能性が見出されていると言えるだろう。

多くの子供に体験を

ただ、Switch2には一つ懸念点がある。

それが税込49,980円(日本国内のみ対応版)という価格だ。

これは初代Switch発売時(29,980円)と比較して約1.67倍。

性能向上や世界的インフレを考えれば控えめとも言えるが、日本はいま先進国首位インフレの中にあり、中間層以下への負担が増す一方である。

発売日も6/5とクリスマスやお年玉シーズンから外れており、アルバイトができる高校生以上ならともかく、小・中学生はSwitch2による新たな体験から漏れかねない。

日本の政治家は利権や既得権に固執していないで、昨今のインフレにより真剣に向き合ってほしいものである。