黒坂岳央です。

最近、熱心に老人医療の書籍や記事を読んでいるのだが、「年を取るとどうしても話がくどく、しつこく、長くなるので注意しよう」と書かれていることがある。

確かに若者でそうした話し方をする人はあまりいない。誰しも「くどくて長話」といえばどうしても年齢を重ねた人を連想しがちだろう。

便宜上、記事タイトルを「おじさん、おばさん」としているが、これは性差以上に年齢や置かれた立場などのファクターがより強く出ていると筆者は考えている。そして自分自身も完全におじさんなので他人事ではない。

今回は筆者の視点からその理由や対策を取り上げたい。

maroke/iStock

年を取ると話し方が変わる3つの理由

年を取ると若い頃と話し方が変わる。その理由は3つある。

年を取ると長話をしがちになる理由1つ目は、人生経験を経ることで話せる引き出しがドンドン増えていくからだ。

相手の話の内容から着想を得て、「次はこの話をしたい」という引き出しが増えていく。そうすることで若い頃は1つのことしか言えなかった内容を、多面的かつ多数のエピソードを交えて話せるようになり、それが長話の原因となる。

そして年を取ると長話をしがちになる理由2つ目は、会話の相手に飢えているからだ。普段から自分の話を聞いてくれたり、消化してくれる相手がいなければ「自分の考えをわかってほしい」という気持ちが強く出すぎて、つい長く詳しく説明してしまうのだ。

そして最後の理由は聞き手の反応に不安を覚えるからだ。相手が真剣に話を聞いてくれているか心配になると「絶対にこのことはしっかりと伝えたい」という気持ちが強く出すぎて、何度も同じ内容を手法を変えて繰り返してしまう。聞き手としては「もうその話は分かったよ。くどいな」と感じてしまう。

くどい長話を止める方法

延々と終わらない話が続く場合、平和的に止める方法がある。普段からビジネス取引をする上で地元の高齢の経営者と会話をしている筆者がやっている手法を取り上げよう。