もう一つは中小企業がもつノウハウとニッチなマーケットを埋める役割を誰がするのか、です。大企業になればなるほど小さなビジネスには目もくれなくなります。以前、私に相談を持ち掛けられたケースですが、当地で日本人が創業したある食品関係の創業者が亡くなり経営が宙に浮いたので困ったと。そこで私は知り合いで5大商社の1つの責任者に相談したところ、「うーん、小さいね。うちの会社じゃ買収額が10数億円規模はだめなんですよ。ゼロが一つ足りない」といわれたのを鮮明に覚えています。日経にはもっと小さいのもやっているような記事もありますが、実態はどうなのでしょうか?

もしもターミナルビルのレストランや店舗や食品売り場の店が全国区の名の知れた店ばかりだったらどうしますか?私は嫌ですね。ローカルにはローカルの良さがあるはずです。これが資本と効率のはざまで生き残れるか、という話になるのです。

もちろん、私の懸念が現実になるには相当の時間がかかるだろうし、どこかでまた機運が変わるのかもしれません。が、何事も一方通行じゃ駄目なのだと思います。

では今日はこのぐらいで。

編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2025年4月3日の記事より転載させていただきました。