iWiWはかつてハンガリーでFacebookに匹敵する人気を誇ったSNSで、2011年時点で人口の約30%にあたる280万人が利用していました。(2014年にサービスは正式に終了している)
チームはまず、地元でのつながりの強さ(Local Cohesion:LC)と、遠方に住む友人とのつながりの多様性(Spatial Diversity:SD)という2つの指標を定義しました。
その上で、これらの指標と抗うつ薬の使用状況との関連を統計的に分析。
その結果、次のようなことが明らかになりました。
・地元でのつながりが強い人ほど、抗うつ薬の使用率が低く、うつリスクも下がっていた
・しかしそれ以上に、遠方にいる友人とのつながりが多様な人ほど、抗うつ薬の使用率が明確に低くなっていた
・しかも遠方にいる友人とのつながりが多様な人は、数年後の薬の処方量も減少しており、うつリスクの低下の効果が長続きしていた
さらに、これらの傾向は若年層ほどより強く見られました。
また一方で、近所付き合いが密でも、遠方とのつながりが乏しい場合には、メンタルヘルスへの保護効果がわずかに弱まる可能性も示唆されました。
以上の結果は、私たちが思っていた以上に、「地元」だけでない地理的に多様なネットワークが心の健康に寄与することを意味しています。
では、なぜ遠方にいる友人がメンタルヘルスを改善してくれるのでしょうか?
なぜ遠くにいる友人が「心の支え」になるのか?

この研究は因果関係を証明したものではありませんが、社会的ネットワークの地理的広がりとメンタルヘルスとの関連について、かつてない規模での相関を示した点に大きな意義があります。
孤立しやすい地方に住む人々にとって、SNSを通じた遠方の人とのつながりは、まさに「心の避難所」となっているのかもしれません。
研究者たちは「多様なコミュニティに関わることが孤立を防ぎ、心のバランスを保つ助けになる」と指摘しています。