今回の調査から見えてきたのは、「疑わしいキーワードをざっくりスキャンする」仕組みがAmazon内で機械的に働き、一度“NG”と判定された商品が複数の国・地域へ一括で配送不可になるらしい、という点です。
宗教的な理由が背景にあると推定される地域(サウジアラビアやUAEなど)だけでなく、ブルネイやパプアニューギニア、セーシェル、ザンビアのように必ずしも同様の法規制があるとはいえない国々でも、同じブロックリストが適用されているようでした。
セーシェルでは2016年に同性愛行為が合法化されているのにもかかわらず、LGBTIQ関連と誤解されるキーワードを含む書籍が引き続きブロックされている例も見つかっています。
一方で、「Malala Yousafzaiが描かれた“She Persisted”という子ども向け本がUAEやサウジアラビアで買えない」「日本のファンタジー漫画が『悪魔』『魔法』という単語に引っかかったらしい」など、見当違いなブロック事例も続出。
Amazonがどういう基準で“禁止”を決めているかは非常に不透明です。
一度リストに入ってしまうと、他のアジア・アフリカ地域でも同様に「配送不可」にされ、ユーザー側は理由を知らされないまま諦めるしかない状況に陥るというのです。
さらに特徴的なのは、UAE向けのamazon.aeやサウジアラビア向けのamazon.saだけでなく、アメリカのAmazonサイト(amazon.com)でも同じフィルタが裏で作動している点でした。
米国アカウントで利用していても、配送先を特定地域に設定するといつの間にか商品がカートに入れられなくなるなど、利用者には規制が“在庫切れ”としか見えない形で進行することもあります。
これは「ユーザーの知る権利」や「表現へのアクセス」を知らないうちに奪う可能性があり、特にLGBTIQなどマイノリティ当事者にとっては大きな打撃となる恐れがあります。