カナダのトロント大学(U of T)で行われた研究によると、世界最大級のオンラインストアであるAmazonが、一部の国や地域に向けて特定の書籍を“配送不可”とする仕組みを大規模に運用している可能性があることがわかりました。

研究者たちは実質的に「在庫があるのに買えない」状態にしているため「検閲的なブロックではないか」と指摘しています。

しかも、このブロック対象はLGBTIQ関連やオカルト、エロティカにとどまらず、日本のマンガや料理本など、多岐にわたります。

なかには、「一時的な在庫切れ」というあいまいなメッセージが表示されるだけで、実際には特定の国からは購入そのものができないケースもあるというのです。

いったいAmazonの“見えない制限リスト”にはどのような基準があり、どうしてこんなにも多様なコンテンツが“配送不可”扱いにされるのでしょうか。

研究内容の詳細は、トロント大学のセキュリティ研究機関「Citizen Lab」から発表されました。

目次

  • “在庫切れ”の裏側を暴く:Amazonが仕掛ける見えない検閲
  • 見えない検閲に震撼:Amazonが排除する書籍の実態とは
  • Amazonの判定は曖昧

“在庫切れ”の裏側を暴く:Amazonが仕掛ける見えない検閲

「とあるAmazonの禁書目録」――実は見えない制限リストが存在か
「とあるAmazonの禁書目録」――実は見えない制限リストが存在か / Figure 2は、Amazonの「カートに入れる」ボタンを押した際に表示されるエラーメッセージのスクリーンショットを示しています。 この画像では、商品ページの「All Offers Display」(出品者一覧)モードで、ユーザーが実際に「カートに入れる」ボタンをクリックしたとき、システムがどのような反応を返すかが分かります。 通常、在庫があり配送可能な場合は「Added」と表示され、商品がカートに正常に追加されるはずです。 しかし、この図では、全ての出品者に対してボタンを押した結果、すべて「Not added」と表示され、商品がカートに追加されない状況が確認できます。 このエラーメッセージは、実際には商品自体は在庫があるにもかかわらず、特定の地域に対して配送がブロックされていることを示しています。 また、エラーメッセージの表示は、システムがユーザーに対して「在庫切れ」や「配送不可」というあいまいな理由を提示して、本当の規制理由を隠蔽している可能性を示唆しています。/Credit:Banned Books Analysis of Censorship on Amazon.com