北海道の産業といえばまずは半導体企業、ラピダスが筆頭に上がるかもしれません。もう間もなく竣工でテストランが始まり、27年ごろから量産体制に入る計画です。世界をリードする半導体企業となるか、世界に挑みます。実はあまり知られていないかもしれませんが、北海道はデータセンターも多く進出しています。理由の一つは気温が低いため、外気を取り込んでサーバーを冷やすことで効率よい運営ができるからです。

データセンターで必要なのが電力。ところが北海道はこれがネックでした。今期待されているのが泊原発の再稼働。原子力規制委員会の審査はほぼ終わり、安全対策を施せば2-3年での再稼働が視野に入ります。

また北海道の自然を利用し、水力発電もあります。民間資金を利用し、既存ダムを利用し水力発電が出来るよう11か所で検討、計画されています。水力発電のうまみは天候などに左右されにくいことと発電コストが安いのです。私の住むバンクーバーは水力発電の電力ですが、電気代は他地域に比べ半分から1/3程度とされます。

産業のコメという表現がありますが、産業の酸素なら電力である、と私は言いたいのです。AIにしろ、データセンターにしろ、半導体工場にしろどれも莫大な電力を必要とします。北海道は幸いにして人口密度が薄く新しい産業形態に合わせた取り組み対応がしやすいのです。

小型原発(SMR)は世界では話題で、例えば日立はカナダでGEと組んで建設中で28年頃完成、稼働の予定ですが、日本ではSMRについて検討するどこかだれもそれに触ろうとしないのです。でも日立は海外で作っているのです。ならばその知見を活かせば北海道での建設はアリだろうとみています。

もう一つの北海道産業界の魅力は宇宙産業の潜在性です。北海道大樹町にある北海道スペースポート(HOSPO)の名前は知らないけれどホリエモンがロケットを飛ばそうとしたところと言えば思い出す方もいらっしゃるでしょう。あの場所はロケット基地として広く公開されたいわば、ロケットの空港みたいなものです。同地はロケット基地に適した世界有数のポテンシャルがある為、北海道が40年もかけて誘致し、準備してきたものです。日本の中では全く新しいコンセプトだと思います。日本に民間ロケット会社は10社以上あり、いづれ花咲く時が来ると思いますが、そうなればこのスペースポート周辺は宇宙産業のメッカになることも予想されます。