実は、これまでに行われた様々な研究が、カシューナッツにおけるカシュ―アップル、シェル、ナッツが人間や動物における脂肪蓄積能力を減らす可能性を示しています。
しかし、その詳細や脂肪細胞の分化に対してどのような影響が及ぶかは調査されていませんでした。
脂肪細胞の分化とは、前駆脂肪細胞と呼ばれる未熟な細胞が、脂肪を蓄積する能力を持つ成熟した脂肪細胞へと変化するプロセスのことです。
この分化の過程は、肥満の進行や代謝疾患と密接に関係しており、脂肪組織の増加に直結します。
そこで今回、礒田博子氏ら研究チームは、肥満の原因である脂肪細胞の形成と脂肪蓄積を抑える可能性があるかどうかを、マウス由来の前駆脂肪細胞を使った実験で調査しました。
カシューナッツの捨てられていた部分に脂肪蓄積の抑制効果があると判明

研究チームは、ベトナム産のナッツ、ブルキナファソ産のアップル、そして日本企業から提供されたシェルを、それぞれ70%エタノールで抽出しました。
次に、マウス由来の細胞を培養し、インスリンなどを用いて脂肪細胞への分化を誘導しました。
その後、脂肪分化中の細胞にそれぞれの抽出物を添加し、脂肪滴の量や脂肪形成関連遺伝子およびタンパク質の発現量を測定しました。
そして実験の結果は、驚くべきものでした。
まず、カシューシェルが、脂肪細胞の分化を顕著に阻害しました。
脂肪細胞の形成に不可欠な遺伝子と、それに続く脂肪合成遺伝子の発現が大幅に低下しました。
脂肪滴(細胞内の脂質を貯蔵・分解してエネルギーを産生したり、脂質を合成したりする)の働きも著しく抑えられ、これは殻に多く含まれるフェノール系化合物(アナカルジック酸やカルドールなど)の作用が関係していると考えられます。
