しかし、これらの分類では定義できない植物があります。
それが「竹」です。
竹は「幹の太さが一定に留まり、年輪がない」「幹が茶色ではなく緑色で中空」「成長の速度が速い」といった草のような特徴と、「木のように高く育つ」「数十年枯れない」といった木のような特徴の両方をあわせもち、その分類については議論が続いています。
また、草の中にはヒマワリやセイタカアワダチソウのように高さが2mを超え、ちょっとした木よりは大きいものもあります。
そんな木のように大きな構造の草たちや竹を明確に線引きするために、今回、北海道大学工学大学院の研究グループは草木の体を力学的視点から分類するという方法を試みることにしました。
力学的な視点から見た草木の構造

光合成によって栄養を得る植物は、他の植物の影にならないよう背を高くするほど生き抜くのに有利となります。
しかし、背が高くなると自重によって倒れてしまうリスクも生まれます。
自重で倒れてしまわないようにする最もシンプルな方法は太くて構造が密な硬い体を持つことです。
木の構造がこれにあたります。
一方、草は一般的に細く柔らかい中空の構造を持っていて、背が高くなると自重を支えることが難しくなります。
この体の構造の違いがシンプルに草木の分類と考えられますが、先に述べた通りこの考え方では上手く分類できない植物があります。
それが1つは竹であり、彼らは中空の構造でありながら非常に高く成長します。
また、2mを超える高さになるヒマワリやセイタカアワダチソウも、木の幹より細く中空の茎でありながら、大きな体を支えることができます。
つまり木と草の違いは、体の構造ではなく自重を支える力学的な方法なのではないか? というのが今回の研究グループの考えなのです。
もしこの自重を支える「硬さ」の要素を明らかにできれば、草木を分類する新しい方法になるかもしれません。