答えは後者でしょう。
しかし「どのような事柄に対し」「どの程度の頻度で」謝罪すれば、相手から不信感を抱かれず、信頼度を増すことができるかについては明確な基準がわかっていません。
そこでアメリカのハーバード・ビジネス・スクールのブロックス氏らの研究チームは、自分に責任のないような事柄に対する謝罪と相手からの信頼の関係性を検討しています。
実験では、実験者が以下の2つのパターンで、電話を借りる為に駅の通行人65名に声をかけました。
不必要な謝罪グループ:「雨が降ってしまい申し訳ない。電話を貸していただけませんか。」(”I’m so sorry about the rain! Can I borrow your cell phone?”)
謝罪がないグループ:「電話を貸していただけませんか。」(”Can I borrow your cell phone?”)
携帯電話は高価で、小さく、壊れやすく、個人の情報を多く含んでいます。
それゆえ、見知らぬ人に携帯電話を渡すことは自分自身を危険な状態に置くことでもあり、研究チームはこの電話を見ず知らずの人に貸すという行動を相手に信頼を置いている指標として用いました。
さて依頼の前に余計な謝罪を挟むことで電話を貸してもらえる確率は高くなったりするのでしょうか。
不必要な謝罪は「共感的配慮」を相手に示すシグナルになる
実験の結果、ただ携帯電話を貸してほしいとお願いをした場合には、電話を貸りることができたのは全体の約9%にとどまりました。
一方で、不必要な謝罪をした場合には、全体の約47%が電話を貸してくれました。
その差は約5倍になります。

では、なぜ不必要な謝罪は依頼の成功率を高めるのでしょうか。
それは相手に「共感的配慮」を示していることを伝達するからだと考えられています。