次に、ヒレを支えたり動きをコントロールするために進化し、最終的に肩帯を形成するようになったとされます。
ブラゾウ博士らの説は、肩が鰓弓から始まった可能性を示唆する点でギルアーチ仮説を支持していますが、他の研究が示す要素も含んでいる点で、新たな視点を提供しています。
すなわち、他の研究が「筋肉を支える特定の骨は徐々に他の骨格に取って代わられる」ことを示すのと同様に、彼らの説は「鰓弓は本来の役割から、首を支える筋肉と骨格などの新たな構成に取って代わられた」と説明します。
今回ご紹介した研究は、私たちの身体が「どこからきたのか」を、さまざまな証拠をパズルのように探求していく点に面白さがありました。
しかし最も興味深いのは、私たちの「肩」が、「さまざまなものを食べるための進化」に起源を持つという見解にあるように思います。食欲は、身体の構造まで変えてしまうのでしょうか。
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参考文献
How the fish got its shoulder | Imperial News | Imperial College London
https://www.imperial.ac.uk/news/249099/how-fish-shoulder/
元論文
Fossil evidence for a pharyngeal origin of the vertebrate pectoral girdle | Nature
https://www.nature.com/articles/s41586-023-06702-4
ライター
鶴屋蛙芽: (つるやかめ)大学院では組織行動論を専攻しました。心理学、動物、脳科学、そして生活に関することを科学的に解き明かしていく学問に、広く興味を持っています。情報を楽しく、わかりやすく、正確に伝えます。趣味は外国語学習、編み物、ヨガ、お散歩。犬が好き。
編集者
ナゾロジー 編集部