とはいえ、すべてのケースで、対象の見た目を変化させられるわけではありません。
生物の見た目を変えるのには限界がありますし、モノやロボットでも、デザイン・設計を根本的に変えることは簡単ではありません。
では、対象の見た目を変化させなくても、より「かわいい」と感じさせることは可能なのでしょうか。
塩見氏ら研究チームは、同じ見た目のロボットを複数使った実験で、「かわいい」という感覚をアップさせる新たな要因を発見しました。
つながりのある2台のロボットが最も「かわいい」

研究チームは、見た目以外の「かわいい」と感じる要素の探求を続ける中で、数と関係の効果に着目しました。
例えば、1粒のサクランボよりも2粒のサクランボが房でつながっている方が「かわいい」と感じられます。
また動物の赤ちゃんが1匹でいる場合よりも、複数の動物の赤ちゃんが楽しそうにじゃれ合っている様子の方が、「かわいい」と感じるはずです。
そこで彼らは、複数の対象につながりがあると、人はその対象を「かわいい」と感じるのではないか、という仮説を立てました。
この仮説を検証するために、まず人、モノ、ロボットの数が「かわいい」と感じる度合いにどのように影響するか、201名にWEBアンケートを取りました。数と関係のパターンは次の通りです。
- 数が1の場合
- 数が2でただ並んでいる場合
- 数が2でつながりを感じさせるように並んでいる場合
