ゼレンスキー大統領は過去3年間で風貌が激変した、と言われる。感情的な表現を繰り返したり、奇妙なしぐさが止まらなくなったりするときもよくある。われわれが感じることがないレベルの精神的負担を、全面侵攻開始時から数えても、3年以上にわたって耐え続けている。果たして変わったのは風貌だけか。心理状態も大きく変わっているのではないか、と推察するのは、むしろ自然である。
現在、アメリカのトランプ政権が停戦調停を熱心に行い始めており、これもゼレンスキー大統領にとっては、大きな心理的負担だろう。支持者たちは、「トランプに負けるな!ウクライナは最後の一人になるまで戦い続けるぞ」といったことを安易に言いがちである。もちろんその気持ちも一つの真実だろう。だがそのように言う者も、本当に実際に4千万人の人口が完全に殲滅されても構わない、と言いたいわけではないだろう。
ゼレンスキー大統領の心理状態は、もうかなり前から、ロシア・ウクライナ戦争の帰趨を左右する大きな要素になってきている。トランプ大統領も、プーチン大統領も、そのことを見透かして、様々な牽制を仕掛けてきている。この問題は、今後、どう展開していくのか。大きな注目点である。
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