昔の映画や卒業アルバムを見ていて「この人、学生のはずなのに40代みたい……」と感じたことはありませんか?
実際にSNSでも「1970年代の30歳は、今の50歳より老けて見える」なんて投稿がたびたび話題になります。
ではどうして昔の写真や動画に映る人々は、現代人よりも老けて見えるのでしょうか。
目次
- なぜ昔の人は老けて見えるのか?生物学的年齢から明らかに
- 「現代人の肉体が若い理由」と「文化的な偏見」
なぜ昔の人は老けて見えるのか?生物学的年齢から明らかに
SNSを覗くと、過去の様々な写真や映像が共有されています。
1950年代後半に大ブームを巻き起こしたロックンロールのスターであるリッチー・ヴァレンス氏は、17歳で飛行機事故により亡くなりました。
Ritchie Valens was 17 when he died in a plane crash pic.twitter.com/RoWxaxjTyi
— J.A. Adande (@jadande) December 27, 2019
しかし彼の写真は17歳というよりも、40代に見えます。
このような経験は過去の写真を見るといくらでも味わえます。
自分たちの両親や祖父母の写真を見ると、30代でも50~60代に見えるかもしれません。
では、昔の人が老けて見えるのはなぜでしょうか。
昔の人に比べて現代人は見た目が本当に若返っているのでしょうか。
それとも私たちが持つ偏見や錯覚がそう思わせているのでしょうか。
この疑問に対して、アメリカ・イェール大学(Yale University)に所属するモーガン・レヴィン氏ら研究チームは2018年の研究で科学的にアプローチしました。
彼らは1988年から2010年までの米国全国民健康・栄養調査(NHANES)のデータを用いて、2万人以上の生物学的年齢を算出。
血液検査や呼吸機能、腎臓・肝臓などのバイオマーカーから、身体の加齢度を推定し、実際の年齢(暦年齢)とは異なる「体内年齢」として評価したのです。