まるで人間たちが審判を伴ったルールありの試合を行う時のように「規範を遵守する態度」が存在しているのです。
これほど礼儀を重んじる戦いが行われることは、野生動物の中では珍しいことです。
また戦いの終わりも優雅です。
片方のオスがネッキングをやめてその場から離れると、それが負けを認めたことになり、試合はあっさりと終了します。
勝った方が勝利を誇示したり、負けたキリンを追いかけまわしたりすることもありません。
キリンたちは戦いの始まりから終わりまで、フェアプレイを貫くことができるのです。

ちなみに研究では、若いキリンは経験を積むために軽めのネッキングを繰り返すことが確認されており、これは社会性の発達にも関係していると考えられています。
キリンたちのネッキングは単なる喧嘩ではなく、社交、力の見せ合い、メスへのアピールといった複雑な目的を持った行動です。
そしてその全てが、驚くほどにエレガントに行われています。
私たち人間も、日常の中で他者と衝突したり、意見をぶつけ合ったりすることがあります。
優劣を決めなければいけない時もあるでしょう。
そんなとき、キリンのように“品位を保ちながら自分を主張する”という態度を思い出せたら、争いの意味も変わってくるはずです。
キリンたちの首の一振りが教えてくれるのは、「強さとは、優しさと美しさを兼ね備えたものだ」という真理なのかもしれません。
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参考文献
The etiquette of a giraffe fight
https://thekidshouldseethis.com/post/the-etiquette-of-a-giraffe-fight
ライター
大倉康弘: 得意なジャンルはテクノロジー系。機械構造・生物構造・社会構造など構造を把握するのが好き。科学的で不思議なおもちゃにも目がない。趣味は読書で、読み始めたら朝になってるタイプ。