伊藤は前述の広島戦後に筆者の取材に応じており、クロスボールへの合わせ方の極意を明かしている。画竜点睛を欠いている浦和RLが今後突き詰めるべきは、この点だろう。

ー伊藤選手は小柄(身長150cm)ですが、空中戦においてクロスボールにピンポイントで合わせることができています。そのためのコツを、全国のサッカー少年・少女の皆さんのために教えていただけますか。

「『せえの!』で(相手守備者と同時に)競り合っても難しいので、私は相手の見えないところからゴール前に入るというのを意識しています。見えないところからゴール前に入ってこられると、相手としても対応が難しいと思います。それを練習のなかでやり続けました」

「クロスを上げる人とタイミングを合わせるのも大事ですね。あと、私の場合は『こういうボールが欲しい』というのを、クロスを上げる選手に伝えています」

ーどういうクロスボールであれば、伊藤選手は合わせやすいですか。

「滞空時間のあるボールですね。こうしたクロスが上がると、相手としてはどうしてもボール(だけ)を見てしまいますし、体も止まってしまいます(その場でジャンプする形になる)。ふわりとしたクロスボールのほうが、私としては後ろから勢いをつけてゴール前へ入りやすいですね」

WEリーグ3連覇の可能性を残すなか、功労者である楠瀬監督が任を解かれることに。AWCLベスト8止まりのショックも小さくないなか、3月30日に行われる現WEリーグ首位INAC神戸レオネッサとの上位決戦(リーグ第16節)で、浦和RLは復活できるのか。堀新監督のもとで、同クラブの攻撃がどのようにアップデートされるかにまずは注目していきたい。

(※)本記事の試合時間は、1分以内の秒数を切り上げて表記。