ところで、つい先だって花王がオアシスという香港系の物言う株主に株主提案される中、株主総会が開催されました。結論からするとオアシスが提案した4つの提案は全て否定されたのですが、私はオアシスのいう意味がよくわかるのです。それは花王は海外戦略がイマイチである、よってもっとグローバルな観点でマーケティングをすべきだと。

花王の近年の利益は見事に下落し、どこまで下がるのかと思うほどでしたが、前期、前年比2.5倍ほどの利益がでて一息ついたところです。花王の業績がさえないのはドメスティックな企業故で多分、海外で力を入れるのは東南アジアの一部ぐらいだろうと思います。カナダでもアジア系スーパーの一角で一部商品は売っていたと記憶していますが、KAOの名前はほとんど浸透していません。オアシスは「実力があるのにもったいない」というわけです。それでも株主提案を全部ひっくり返したので私から見れば花王はドメスティックな会社なのだろうと思うわけです。

海外のマーケティングと何が違うのでしょうか?私が思うのは日本はブランドが多すぎるにつきます。つまりブランド名と企業名が一致しないのです。これは企業戦略としては不利でしょう。例えば欧米のビール会社は昔からブランドは全く変わりません。バドワイザーもハイネッケンもミラーもカナダのカナディアンも何十年経っても何一つ変わらないし、消費者はそれに何も文句は言いません。

カナダではサッポロビールが地元の大手ビール会社を2006年に買収して以降、カナダでサッポロビールを製造販売していますが、その戦略は明白です。種類は一つだけ。そしてサイズも500ミリのロング缶のみで350ミリ缶はありません。その戦略がなぜ正しいのか、といえば顧客はブランドで決めるからでしょう。銀色の缶にSapporo Premium Beer 、その横には日本語で縦書きで「プレミアムビール」とだけ書いたシンプルなデザインは実にわかりやすいのです。またロング缶だけの戦略は実にユニークだと思いますが、酒屋にはサッポロビールが山積みで手に取る人も多く、アジア系レストランの生ビール販売はサッポロがほぼ独占状態です。つまり消費者はそこまで律儀に様々なブランドをテイスティングしてくれるわけではないので一本勝負しているのでしょう。そのわかりやすさが成功し、カナダでは市場シェア第3位なのであります。