さらにデュオニクス・ツクトバアタリの手の構造は、植物を「かき集める」や「引っ掛けて引き寄せる」といった動作にも適していたようです。
今回の発見は、デュオニクス・ツクトバアタリが初めて見つかった「二指のテリジノサウルス類」であり、恐竜たちがどのように手の機能を変化させ、進化してきたのかを示す貴重な手がかりとなります。
実はこの新種とは別に、二本指の爪を進化させた有名な恐竜がいます。
それが「ティラノサウルス」です。

ティラノサウルスは恐竜界でもナンバーワンの知名度を誇りますが、彼らが生きた時代は約6600万〜7200万年前の恐竜時代の最期です。
そしてティラノサウルスも祖先はもともと三本指だったのですが、進化の過程で二本指になったことが知られています。
ティラノサウルスとデュオニクス・ツクトバアタリはなぜ指の数を一本減らしたのか?
二本指にすることには具体的にどのようなメリットがあったのか?
チームは今後、この二本指の収斂進化(しゅうれんしんか、※)の謎を解き明かしたいと考えています。
※ まったく別のグループで同じ形質が進化する現象。昆虫のケラと哺乳類のモグラはまったく別のグループなのに、スコップのような同じ手を進化させている)
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参考文献
ティラノサウルスの様に手指が2本しかない新種の恐竜発見~獣脚類における指の減少進化を解明~
https://www.hokudai.ac.jp/news/2025/03/2-68.html
元論文
Didactyl therizinosaur with a preserved keratinous claw from the Late Cretaceous of Mongolia
https://doi.org/10.1016/j.isci.2025.112141
ライター
千野 真吾: 生物学出身のWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。