まず、ロシアが反対していることが挙げられる。西側の軍事同盟の東方拡大はロシアにとっては脅威となる。1999年にポーランド・チェコ・ハンガリーが、2004年にバルト3国などが正式に加盟するなど、東方拡大が進み、ロシアでは警戒感が強まった。プーチン大統領は東方拡大がロシアの勢力圏を侵すものと見ている。

NATO指導部は、ウクライナの加盟でロシアが欧州の安全保障を脅かす軍事行動に出ることを恐れた。

また、汚職が根深いウクライナの政治体制が、NATOが求める民主主義体制の基準を満たしていないと見られている。

ウクライナのNATO加盟に進展はあったのか?

2008年、NATOはウクライナが最終的に加盟する可能性があると述べている。

ウクライナ戦争開始から約1年後の2023年5月、ストルテンベルグ前NATO事務総長は、ゼレンスキー大統領に対し、ウクライナは「長期的には」加盟できるが、戦争が終結するまでは不可能と伝えている。

今年2月12日、ヘグセス米国防長官はウクライナの加盟が現実的ではないと述べて、ウクライナを失望させた。スウェーデンのジョンソン国防相は、加盟の可能性は「ゼロではない」と主張したが、今のところ、凍結中だ。

それでも、NATOはウクライナ支援として、ウクライナ軍の組織改革の支援や訓練を通した人材育成、加盟国による兵器の供与などを行っている。

編集部より:この記事は、在英ジャーナリスト小林恭子氏のブログ「英国メディア・ウオッチ」2025年2月25日の記事を転載しました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、「英国メディア・ウオッチ」をご覧ください。