主な目的は、旧ソビエト連邦(ロシアを含む共産主義共和国のグループ)による欧州での拡張を阻止すること。NATO条約・5条によると、いずれかの加盟国が攻撃された場合、他の加盟国が防衛に協力する。
軍隊は?派兵の歴史は?
NATOは独自の軍隊を持たない。
しかし、加盟国での紛争以外でも、危機に対応して集団的な軍事行動をとる場合がある。旧ユーゴスラビア紛争(1992年から2004年)では、国連を支援する形で介入した。軍事計画の調整や合同軍事演習も実施している。
加盟国の位置は?
現在は設立当初の12カ国に加え、後に加盟した20カ国が加わって32カ国に。
日本は加盟国ではないが「パートナー国」という位置づけである。昨年7月には、岸田首相(当時)がNATO首脳会合のパートナーセッションに出席した。
以下の拡大図は外務省資料による。

(外務省のPDF資料からキャプチャー)
西側の同盟が東に拡大
1991年のソ連崩壊後、アルバニア、ブルガリア、チェコ共和国、エストニア、ハンガリー、ラトビア、リトアニア、ポーランド、ルーマニア、スロバキアなど多くの東欧諸国が加盟した。
西欧+米国の軍事同盟が、1990年代以降、東側に拡大している。
東方拡大がより分かりやすいのが、以下のBBCニュース掲載の図である。

(BBCのウェブサイトよりキャプチャー)
創設メンバー12カ国は濃い赤、1950年から1996年の間に加盟した国は薄い赤、1997年から2022年に加盟した国は濃いピンク、2022年以降に加盟したスウェーデンとフィンランドは薄いピンクになっている。
黄色のウクライナは加盟申請中の3カ国(ほかはボスニア・ヘルツェゴビナとグルジア)のうちの1つである。
ロシアを含む非加盟国は白で表示されている。
ロシアと国境を接するフィンランドは、2023年4月に加盟し、スウェーデンは2024年3月に加盟。ウクライナ戦争の勃発がきっかけだ。