さらに、脂肪の融解特性や結晶構造を自由に操る技術は、他の食材開発にも応用できるはずです。

例えば、「温度で食感が変わる高級スプレッド」をはじめ、フードテックの新しい切り口が数多く考えられます。

強制給餌を巡る論争は今後も続いていくでしょう。

しかし、リパーゼを活用した今回の技術が広がれば、動物福祉と食の楽しみを両立させる一歩となるかもしれません。

味や香りをさらに磨き上げ、本物のフォアグラに迫る新たな「代替フォアグラ」が実現する未来は、そう遠くないかもしれません。

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参考文献

Making Foie Gras Without Force-Feeding
https://publishing.aip.org/publications/latest-content/making-foie-gras-without-force-feeding/

元論文

Foie gras pâté without force-feeding
https://doi.org/10.1063/5.0255813

ライター

川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。

編集者

ナゾロジー 編集部