1000V車両システムの駆動系
スーパー e-プラットフォームには、新開発の高性能モーターを含む12in1と呼ぶe-アクスルが搭載されている。BYDは従来、8in1、つまり8個の駆動関連ユニットを1パッケージにまとめたe-アクスルを採用してきたが、さらに集積度を高めた12in1のe-アクスルを実現している。

そして、駆動モーターも新開発している。この新型モーターの最高回転数は3万511rpmに達し、量産モーターとしては世界No1を実現。この回転数は競合モデルのモーターを大幅に引き離しているのだ。これを実現するために、モーターの構成部品の高精度化し、高回転耐久性を大幅に向上している。また、このモーターは遊星歯車式の減速ギヤと組み合わせ、コンパクトなe-アクスルを形成している。
このモーターの最高出力は580kW(788ps)という驚異的なレベルにある。また、このモーターを高電圧制御するために、より高電圧に対応した1500Vに対応できるSiC MOFSET インバータを採用している。なおこのSiCインバータもBYD内製であり、超高電圧に対応できるSiCインバーターの量産化は世界初となる。

先進・高性能インバータとして使用できるSiC(シリコンカーバイト)は、原材料からSiCチップを作り出すのは歩留まりが悪い、つまり量産が難しく、さらにSiCチップの加工も難易度が高いとされているが、BYDは内製で量産化を実現したとしており、これも驚異ということができる。
■「漢(Han)L」(セダン)、「唐(Tang)L」(SUV)
スーパー e-プラットフォームを採用したBYD王朝シリーズのフラッグシップとなる2車種は、中国市場で4月に正式発表し、受注を開始することになっている。

2車種の価格は、Han Lが27~35万元(約557~723万円)、Tang Lは28~36万元(約578~743万円)。為替レートを考慮すると、実勢価格はこれより10%安いと考えられるため、全面的に新技術を搭載しているにも関わらず十分リーズナブルだ。

そしてこの2車種の動力性能は、Han Lの0-100km/h加速は2.7秒、最高速度は306km/h、Tang Lの0-100km/h加速は3.6秒、最高速度は287km/hという高性能で、テスラやポルシェ タイカンの高性能モデルに勝るとも劣らないレベルだ。

また搭載しているバッテリー容量は83kWhで、十分な容量、つまり十分な航続距離を備えている。このバッテリー容量と、高速道路上にある超出力急速充電器の利用により、高速道路での長距離走行もガソリン車と同等の利便性を実現したということができるのだ。
さらに、これらのモデルはソフトウエア・ディファインド・ビークルとなっているのはもちろん、先進運転支援システム「天神之眼」(DiPilot)を装備し、高速道路だけでなく市街地でもハンズフリー運転が可能なのだ。
ちなみにBYDは、今後は100万円台のエントリーモデルにも「天神之眼」を標準装備化すると発表しており、量産効果による低コスト化、商品力の向上を図っている。
現時点では、Han L、Tang Lは中国市場向けとされているが、次のステージではグローバル展開を狙っていることは間違いない。
提供・AUTO PROVE
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