しかし同時に、肩甲骨と烏口骨がしっかりと癒合していたり、翼の骨の一部が完全に接合していたりすることから、すでに“成体”だったことも示唆されました。
このことから、翼竜においては骨の癒合が部位によって異なるタイミングで進行し、大人になってからも癒合が続く場合もあることが示されています。
この事実は、これまで信じられてきた「頭部の骨は大人になる前の早い段階で癒合する」という説に対し、大きな再考を促すものです。
今回発見されたダーウィノプテルス・カンポシは、翼竜の成長や進化について新たな視点を提供する貴重な化石となります。
この先、より多くの標本を調査し、骨の癒合のタイミングや順序を解明することで、翼竜の生活史や進化戦略がより明らかになるでしょう。
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参考文献
New Pterosaur Species Discovered in China: Darwinopterus camposi
https://www.sci.news/paleontology/darwinopterus-camposi-13775.html
元論文
A new species of Darwinopterus (Wukongopteridae, Pterosauria) from western Liaoning provides some new information on the ontogeny of this clade
https://doi.org/10.1590/0001-3765202520240707
ライター
千野 真吾: 生物学出身のWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。
編集者
ナゾロジー 編集部