最後に、LNGの長期貯蔵という面から見てみます。正直、日本はLNGを長期貯蔵する体制は整っていません。石油は国家および民間で250日分は備蓄しています。しかし、LNGは電力会社、ガス会社、石油元売会社などのタンクしかありません。当然これらのタンクは備蓄目的で作られてはいません。LNGを輸入→気化→消費、という流れです。

LNGは極低温で液体の状態になりますから、冷却をしていないと、自然入熱などでも気化していきます。基本は消費するためのLNG基地なのです。そのためLNG基地で確保している量は、おおよそ2週間分といわれています。

総輸入量に占めるロシアの比率が10%であっても、その10%が止まってしまうことの影響は、石油や石炭よりもはるかに大きく、すぐに顕在化されます。また、ロシアからの輸入が止まってしまった分を他から調達しようとすると、LNGにもスポット取引はあります。

しかし、石油よりも流通量が数なく、スポット市場で調達しても、2~3ヶ月かかるといわれています。LNGといってもよいことばかりではありません。

石炭火力の比率を上げることで安定安価な電力供給を

石炭も国家による備蓄は行われておりませんが、それでも30日分の備蓄があります。さらに、石炭はスポット取引も活発に行われており、LNGの輸入がなんらかの理由で減少したときは石炭と石油の備蓄分でバックアップ、その後スポットで買っくることが最もスムーズなリカバリーだと思います。

安価な電力供給には原子力発電は最も効果的なのですが、東電福島第一、第二が廃炉になるなど、既設の原子力発電所を全部運転しても総発電量に占める割合は20%くらいだと思われます。残りの分は、火力発電所で供給することになりますが、LNG燃料に偏りすぎることなく、石炭火力も活用することで安価で安定した電力供給が実現できると思います。