扇谷氏の冒頭コメントを受け、佐藤氏も今季序盤の騒動に言及。「ルールが大きく変わったわけでもなければ、APTを増やすためにレフェリーが恣意的に判定を変えるというのは一切していない」と前置きしたうえで、ファウル(黒)とノーファウル(白)の間にあたるグレーゾーンの事象とどのように向き合うかを報道陣に説明した。
「僕らが目指しているのは、去年までノーファウルとしていた事象には今年も笛を吹かない。逆に去年までファウルと判定していたものには、今年も笛を吹くということです」
「ただ、試合後に判定を分析するなかで、間違っている(明らかな誤審)とは言わないけど、期待されるのはノーファウルだよね(ノーファウルと判定するのが望ましい)という事象もありました。今年はこうした接触プレーを、自信を持ってノーファウルにしていこうと。つまり、判定の標準を上げるということです」
「ファウルの判定というのは、必ずしも白か黒か(0か100か)という話ではありません。絶対にノーファウルというものから、ファウルかもしれないというもの、そしてそのグレーゾーンの先に、『これはファウルだよね』(明らかな反則行為)というように考え方が変わっていくと思うんですよね」
「ノーファウルに近いけど(白に近いグレーだけど)、ファウルの要素が一定数含まれているプレーについては、去年まで笛を吹いていたと思います。そのゾーンの事象については、判定の標準を上げましょうと。選手同士の接触プレーがあったときに、それをどこまで許容するのか。これをレフェリーサイドだけでなく、チーム側にも理解してもらいたい。去年までファウルだったもの(まごうことなき黒)が、今年からいきなりノーファウル(まごうことなき白)へ変わったわけではありません」
「ファウルかノーファウルか。(審判員たちで)議論したときに、意見が分かれるものもあります。そのなかで判定の標準を上げて、こういったもの(白に近いグレー)はノーマルコンタクトと見なして笛を吹かない。口で言うのは簡単ですけど、現場のレフェリーは悩みながらやっています。(大事なのは)判定の標準の微調整ですね」