1500万年前にオーストラリアの川を泳いでいた古代魚の新種が発見されました。

新種の化石を発見したのはオーストラリア国立大学(ANU)の古生物学者ヨッヘン・ブロックス(Jochen Brocks)氏らの率いる研究チームです。

氏によると、見つかった化石はほぼ完全な保存状態をとどめており、全体の姿や皮膚の色素、胃の内容物まで確認できたといいます。

また本種の学名はブロックス氏の名前をとって「フェルアスピス・ブロクシ(Ferruaspis brocksi)」と命名されました。

研究の詳細は2025年3月17日付で科学雑誌『Journal of Vertebrate Paleontology』に掲載されています。

目次

  • 眼球までクッキリ!完璧な保存状態
  • 夜行性のハンターだったと判明?

眼球までクッキリ!完璧な保存状態

魚の化石と聞いて、骨だけが残されたものを想像する方が多いかもしれません。

しかし今回見つかった「フェルアスピス・ブロクシ」は、単なる骨の標本ではありません。

研究チームは豪ニューサウスウェールズ州にあるマグラス・フラット(McGraths Flat)という場所で、この新種の古代魚の化石を発見しました。

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新種の化石を発見!完璧な保存状態/ Credit: Matthew R. McCurry et al., Journal of Vertebrate Paleontology(2025)

マグラス・フラットは鉄分を多く含む鉱物「ゲーサイト」の豊富な場所です。

このことは学名にも反映されており、フェルアスピスはラテン語で「鉄」を意味する「ferrum」から来ています。

そしてフェルアスピス・ブロクシの化石標本は、全身の形態から尾ビレ、眼球までも完璧にとどめていたのです。

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眼球までクッキリ!/ Credit: Matthew R. McCurry et al., Journal of Vertebrate Paleontology(2025)