かまいたちの漫才で、ボケの山内さんが「もし俺が謝ってこられてきてたとしたら、絶対に認められてたと思うか」とおかしな言葉遣いをし、ツッコミの濱家さんが発狂するというネタがありました。(動画はこちら)

あれは決して大げさではなく、科学的に真実だったのかもしれません。

英バーミンガム大学(University of Birmingham)の2023年の研究によると、文法のおかしな言葉を聞くと、人は生理的なストレスを起こすという。

そのストレスは自律神経を刺激して、心拍のリズムを変動させる形として表れたとのことです。

研究の詳細は、2023年10月12日付で科学雑誌『Journal of Neurolinguistics』に掲載されています。

目次

  • 生理的ストレスの指標として「心拍リズム」を計測

生理的ストレスの指標として「心拍リズム」を計測

丁寧語を意識しすぎて語尾がヘンになったり、うまく意味の汲み取れない言葉を話してしまうことは、日本語のネイティブであってもよくあることです。

私たちがそうしたそうした言葉に出くわすと、何か小石に蹴つまずいたのように「んっ?」と意識にストッパーがかかる感じがしますよね。

ただこれまでのところ、文法のおかしさを認識することが、私たちの肉体に対して実際に生理的反応を引き起こすかどうかについては特に確認されていませんでした。

そこでバーミンガム大の研究チームは、その生理的な指標として、文法のおかしな言葉を聞いた人の「心拍変動(Heart Rate Variability:HRV)」を測定する実験を行いました。

心拍変動(HRV)とは、心臓の1拍ごとの拍動間隔に見られる「ゆらぎ」のことです。

心拍変動のイメージ図(1拍ごとの間隔に変動があると正常な証)
心拍変動のイメージ図(1拍ごとの間隔に変動があると正常な証) / Credit: en.wikipedia

私たちの心臓は常に一定のリズムを保っているわけではなく、1拍ごとの間隔がミリ秒単位で毎回変化しています。