“物理法則が狂い出す”異次元の工学プロジェクト

 マーケット大学の機械工学教授フィリップ・ボグルウェーデ氏によれば、リバースエンジニアリングとは「対象物の設計思想や構造を“分解して理解し、再現する”こと」だという。

 例えば電気系統の解析には電気工学の知識が、構造の理解には機械工学の視点が必要になる。チームは多様な専門家で構成され、ひとつの謎に多角的に迫る。

 だが、未知のテクノロジーに向き合う場合、まず「これは何のために存在するのか?」という根本的な問いから始めねばならない。ときには部品があっても、それが何に使われていたのかさえわからない。分解しても再構築できるとは限らないのだ。

 特に“エネルギー系”の解析は困難を極める。たとえば核融合のような技術に関しては、出力のスケールが桁違いで、「物理法則が歪むような感覚になる」とボグルウェーデ氏は語る。