世界的なスーパースターである「大谷翔平」選手が、睡眠の量と質を大事にしているというのは有名な話です。

同様に、大きな業績を上げてきた世界のトップリーダーたちも、「仕事のパフォーマンスを高めるために睡眠の質を大事に」しています。

科学的に証明されており、多くの人が実感しているように、睡眠の質は、健康や生産性を大きく左右するのです。

では、睡眠の質を今以上に向上させる簡単な方法はあるでしょうか?

デンマーク工科大学(DTU)環境資源工学科に所属するシャオジュン・ファン氏らの研究によると、寝室の換気を改善すると睡眠の質が向上するという。

研究の詳細は、2023年5月3日付の科学誌『Science of The Total Environmental』に掲載されています。

目次

  • 「換気」と「空気清浄機」の違い
  • 換気が睡眠の質を向上させると判明

「換気」と「空気清浄機」の違い

空気清浄機は役に立つが、限界もある
空気清浄機は役に立つが、限界もある / Credit:Canva

最近では、高性能な空気清浄機が増えています。

加湿機能を搭載したものもあり、乾燥が気になる冬季を含め、1年中利用している人も少なくありません。

一方、同じく空気をきれいにするはずの「換気」は、あまり意識されていません。

大勢が密集する特殊な環境であれば別ですが、自分や家族だけが過ごす部屋であれば、「あえて換気しなくても良い」と感じている人が多いのです。

換気して暖房や冷房の効果が薄まるくらいなら、空気清浄機に頼った方が良いと考える人もいるでしょう。

しかし実のところ、空気清浄機と換気では、行えることが大きく異なります

空気清浄機は、室内のホコリや花粉を除去してくれるため、アレルギー対策として非常に効果的です。

ただし空気そのものを入れ替えることはできないため、取り除ける汚染物質は限られています。

換気すれば、すべての有害物質を希釈できる。またCO2濃度も低下させられる
換気すれば、すべての有害物質を希釈できる。またCO2濃度も低下させられる / Credit:Canva