エジプトのギザにそびえるピラミッド群。その地下に誰も見たことのない巨大な構造物が眠っているとしたら──。最新の探査技術によって、これまで想像すらされていなかった地下の秘密が明らかになりつつある。

神話の「アメンティ」が実在した? 衝撃の地下構造が発見される

 2025年3月、ギザのカフラー王のピラミッド直下に、前代未聞の円筒形構造が発見された。人工衛星データをもとにしたトモグラフィー(断層画像)を解析した結果、地中深くに複雑な構造物が埋もれていることが判明したのだ。

 この発見を報じたのは、イタリア・ピサ大学のコラド・マランガ教授率いる研究チームと、英ストラスクライド大学でレーダー・リモートセンシングの研究に携わるフィリッポ・ビオンディ氏ら。彼らは合成開口レーダー(SAR)とドップラートモグラフィーといった最新技術を駆使し、ピラミッドの内部構造やその地下の詳細な3D画像を再構築することに成功した。

 その結果、従来は四角形とされていたピラミッドの面が、実は微妙に凹んだ「八面体構造」であることや、未確認の空洞や通路の存在も明らかになった。

 そして今回の最大の発見となったのが、地下に隠された巨大な円筒形構造である。