そのため、夏場の暑い車内に放置したり、高負荷処理のかかるゲームを充電しながら遊ぶなどの行為はバッテリーの劣化を早める可能性があります。

逆に、極端に低い温度もバッテリーには良くないため、寒い場所に放置することも避けた方が良いでしょう。

劣化したリチウムイオン電池/Credit:Wikimedia Commons

そして、充電のタイミングについてですが、リチウムイオンバッテリーは「使い切ってから充電」するのは逆効果です。

前述したように、バッテリーは0%や100%の状態で長時間保持することが劣化を招きます。

そのため20%から80%の範囲を意識して充電を行うことが、最もバッテリー寿命を延ばす方法とされています。

さらに、リチウムイオンバッテリーは充電サイクルに限りがあるため、充電回数を減らすこともバッテリー寿命を延ばすことに影響します。

例えば、少し充電してすぐに使い切り、また少し充電するという頻繁な充電よりも、必要な時に一気に充電する方がサイクル回数が減り、結果としてバッテリーの寿命が延びます。

Credit:canva

とはいえ、リチウムイオンバッテリーの能力を調査した研究では、フル充電と完全放電のサイクルを400回繰り返すとバッテリーの容量が減り始めると報告されています。

使い切らずに充電するというスタイルを守っていれば、このサイクルにはかなり余裕が生まれると考えられます。

そのため、1~2年で買い替えを考えている人ならば、バッテリーの劣化が気になることはほとんどないでしょう。

特に電気自動車のバッテリーは、5000サイクル以上耐える設計になっており、過充電や完全放電することがほとんどないため、メーカーの想定よりもかなり長持ちすることが報告されています。

しかし、古い知識のまま利用していれば、バッテリーに無駄な負担を掛けることになるのは確かです。

まだ買い替えるつもりはなかったのにバッテリーの容量が目に見えて減ってきた、という状況を避けるためにはあまり負担を掛けない使い方をする方が良いでしょう。

技術の進化とバッテリー管理の重要性