「あなたの好きなところの1つは、ユーモアのセンスです。あなたは本当に面白いです」
参加者たちは、これらのコメントが自分の人生にとって本当に大切な人から言われたものだと想像するよう指示されています。
そしてこの時の脳活動がMRIによって記録されました。
また参加者たちは、反すう傾向を評価する尺度「Ruminative responses scale」により、反すう特性が測定されています。

これらの結果、うつ病リスクの高い女性は、標準的な女性と比較して、デフォルトモードネットワーク(DMN)が、批判を聞いた後に、より活性化すると判明しました。
(特に内側前頭前皮質と下頭頂小葉の2つの脳領域で活性化が見られました)
しかし、称賛を聞いた後の反応では、うつ病リスクの高い女性と標準的な女性に大きな差は生じませんでした。
つまり、うつ病リスクのある女性のDMNは、称賛ではなく、批判を受けた時にのみ活発になり、ネガティブな情報を優先して処理していることがわかります。
さらにこれらの偏った脳活動は、反すう思考と関連していることも分かりました。

研究チームは、これらの結果が、「後にうつ病を発症する人の潜在的な脆弱性を反映している可能性がある」と述べています。
そして「内側前頭前皮質や下頭頂小葉を標的とした治療が、うつ病の予防として役立つ可能性がある」とも続けています。
もちろん、今回扱われた要素だけが、うつ病の危険因子ではありません。