CIA・FBIの関与と隠蔽の実態が明らかに

 今回の公開文書で特に重要なのは、CIAやFBIがJFK暗殺にどのように関与し、またどの情報を隠していたかという点だ。

 CIAはオズワルドがメキシコシティでソ連およびキューバの大使館を訪問した際、その通話を傍受し、監視していた。しかし、その情報はFBIには十分に共有されず、結果的に事件の防止にはつながらなかった。さらに、事件直後の混乱の中でFBI内部で重要な証拠が意図的に破棄された可能性も指摘されている。新たに公開された記録には、FBIのダラス支局がオズワルドに関する報告をすぐに本部へ送らず、また一部の捜査資料を廃棄したことを示すメモが含まれていた。これは、FBIが自らの失態を隠すために情報を操作した可能性を示唆するものである。

 また、CIAがウォーレン委員会に対して一部の記録を提出しなかったことが改めて判明した。さらに、CIAがキューバでの秘密工作を隠蔽するため、JFK暗殺事件に関する一部の情報を「別の事件に関する機密」として分類していたことも明らかになった。このような対応が、事件の真相をより不透明にし、多くの陰謀論を生み出す要因となったことは間違いない。