人類は今、かつての高度な文明と同じ運命をたどろうとしているのかもしれない――。NASAが資金提供した研究によれば、過去の多くの高度な文明は崩壊しており、そのパターンが繰り返されていることが明らかになった。私たちの社会も、この歴史的なサイクルを避けられないのだろうか。

 この研究はNASAのゴダード宇宙飛行センターの一部支援のもと行われ、今後数十年以内に現代文明が急激に終焉を迎える可能性について分析している。

歴史に刻まれた「文明崩壊」のパターン

 歴史を3000~5000年前に遡ると、高度に発展した文明であっても崩壊を免れなかったことがわかる。ローマ帝国をはじめ、古代メソポタミアの複数の帝国、さらには中国の漢王朝、インドのマウリヤ朝、グプタ朝などもその例にあたる。

 さらに時代を遡り、1万年以上前に目を向けると、インカ文明以前の南米の文明、オルメカ文明、古代エジプト文明などの「それ以前の高度な文明」の存在を示唆する証拠が残されている。

 NASAが資金提供した研究では、これらの古代文明の崩壊には共通した要因があることを指摘している。そして、その要因は現代社会にも当てはまるという。