インフレが常態化しつつあり、日銀の政策金利は上昇していく。金利が上がれば、国債の金利も上がる。25年度の国債費(償還費と利払い費)は28.2兆円で、これがどんどん増えていく。過去20年、利払い費は年7-8兆円だったのが、28年度には16兆円になる見通しです。そうなると、将来、他の歳出を削減しなければならなくなります。
本来なら、自然増収分は一般歳出で使ってしまわず、赤字国債の削減にあてていかなければいけないのです。「景気が悪くなったといって、国債を増発する」、「景気がよくなり、税収が増えると、国債削減でなく、使ってしまう」。だから、いつまで経っても、財政状態は改善しない。
高齢者世代には多額の医療費がかかるのに、病院の窓口で払う自己負担は2割程度です。現役世代がかなり援助するシステムになっています。維新の会は現役世代の高齢者援助を4兆円、減らそうとしています。その原資については、原則として、自己負担を現役と同じ3割に引き上げるべきです。高齢者は金融資産を現役世代よりたくさん所有しています。ですから国債をあてにしてはいけません。
編集部より:このブログは「新聞記者OBが書くニュース物語 中村仁のブログ」2025年2月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、中村氏のブログをご覧ください。